カネボウの粉飾決算に加担した公認会計士が所属した中央青山監査法人が、その事件を契機に崩壊していく流れを描かれているのですが、読み進んでいく中で、今日の市場経済において監査法人が大きな意義を持つものとなっていることを感じさせられました。
昨今、虚偽表示などのために、食品メーカーが大きなダメージを受けていますが、カネボウなどに見られる粉飾決算というものも企業イメージを損ね、それを監査した監査法人を………もいる。しかし、同時に小説としてのスリル感もあります。また、小泉改革、ライブドアの問題、なども織り交ぜてあり、ここ10年の経済界についての概観もなされています。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
業界の名門であった旧中央青山監査法人(みすず監査法人)が解散に至るまでの経過を書いたノンフィクション。同じ業界に勤めている人間にとっては、極めて興味深い事実が描かれている。
日興コーディアルグループの不正会計問題にあたり、みすず監査法人は「過去の会計処理は正しかった」「SPCを取り巻く環境の変化と企業会計基準委員会での議論を先取りしたい」という論法で、会社の修正を受け入れようとした。ところが、………計問題が集中して起きたのか。その答えはそう単純にわかるものではないが、今、会計監査人に「懐疑心」の保持と「正当な注意」の行使が問われていることだけは確かである。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
日本の4大監査法人の一つである中央青山監査法人が分裂、その後みすず監査法人が解散するまでの事実を詳細に記載しています。
奥山・片山理事長の記載については、どうやって本人に確認したのかという事実までもが記載されています。京都事務所の京セラとの関係・名古屋事務所の分離・新日鉄チームのトーマツ移籍等、小話のネタになりそうな話題が満載です。
また、旧中央と旧青山の醜い争い、旧中央の腐敗した構造・旧青………(入社4-10の中堅どころです。)の解散時の思いとその後(新日本に行った人・あらたに行った人・監査業界を見限った人)について、一冊のまとめて欲しいと思いました。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
自分は、マスコミ、コンサルタントなど、他者に厳しく自分に
甘い存在が大嫌いである。公認会計士も同じである。特に、
旧中央青山の某公認会計士。他企業の経営に対しては、
ぼろかすの批判をしていて、何の思いやりもないと思ってい
たが、自分の組織はぼろぼろだったわけで、中央青山が
解散したときは、少し、ざまーみろという気持ちであった。
この本を読むと、逆境の中、懸命に組織を立て直そうという
人もいたわけ………そこそこの報
酬を与えるのが、適切なのかもしれない。
なお、本自体は、事実を丹念におっているので、迫力があっ
て、いろいろ考えさせられた、いい本だと思います。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
単に読み物としても面白かったですが、この業界に不案内な私にはかなり勉強になった1冊でした。というのも、旧中央青山監査法人の解散の流れを知る事で、監査とは?会計士の仕事とは?日本版SOX法制定の要因にもなった粉飾事件の中身とは?etc・・・、といった部分の周辺知識が身に付いたからです。
こんな方におすすめ>
・会計士(含U.S.CPA)を目指している方
・旧会計系コンサルティング会社に勤めてはいるものの、あまり本テーマに詳しくない方
・各監査法人の社風?の違いを垣間見たい方
このレビュアーはお薦め度を5としています。
2007年2月、日本の4大監査法人の一角である「みすず監査法人(旧中央青山監査法人)」が自主解散を決定した。1968年以来、日本の資本市場を支えた名門監査法人に事実上の終止符が打たれた形となった。
本書は、旧中央青山監査法人時代から、カネボウ事件という紆余曲折を経て、「みすず監査法人」と名称を改め、自主解散に至までの一連の流れを、監査業界の動向を交えながら詳細に描くドキュメント作品である。
企………査業界の昨今を知る上でも役立つ良書といえる。公認会計士や監査法人の責任問題が問われる昨今、少しでも多くの人が本書に触れ、監査業務について関心を持ってもらいたい。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
公認会計士業界と関係することになったのですが、税理士や弁護士と比べ、知識がないので、適当で、かつ、面白そうな本はないかと手に取った本です。
監査を巡る環境が大きく変わる中で、4大監査法人の一角を占めていながら、カネボウ粉飾決算等に関わり、解体に追い込まれた中央青山監査法人を中心に描かれていますので、公認会計士業界の知識を得ることができるとともに、ドラマ性もあり、そういう意味では、まさに、うってつけ………中央青山→みすずに変更しただけで、生き残れると思った公認会計士方の考えの甘さ。単に、難しい試験を受かった人だからといって、世の中、生き残れるとは大間違いですよ。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
この書評の本は・・・・・ 監査難民 (講談社BIZ)