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商法全体構造2

 「商法全体構造1」でも述べたとおり、私がこういうことを書くのはたいへんおこがましいことは承知しています。あくまでもご参考までに。


こんにちは○○さん。
ちょっと○○さんの商法の実力がどれほどかよくわからないのですが、おそらく、商法の全体像が見えていないのではないでしょうか。
「そもそも商法とは何のためにある法律なのか」
「法律学とは何をする学問なのか」
「法律学の試験ではどういう視点で書くべきなのか」
「論点とは何か」
「判例とは何か」
 こういった点をクリアーにするだけで、全体像を見渡すことができると思います。そのためには、何か基本書を読むことをおすすめします。ただ、あまり実力のないうちに高度なものを読んでも混乱するだけなので、なるべく「商法とは?」という大きな視点で書かれた入門書を読むのがよろしいのではないでしょうか。そのものずばりではないですが、有名なリーガルマインド会社法(矢永)の最初の方には、会社法の役割が書いてありますし、前試験委員の丸山先生の会社法概論の最初の方にも会社法の機能が書いてあります。私は読んだことがないですが、永井先生の基本書にはわかりやすい形で書いてあるそうです。(BY 長瀬講師)
平たーーく言うと、
 商法は、会社という組織を利用して金儲けしやすいようにする法律、すなわち、金の亡者のための法律です。それが資本主義、自由主義の社会です。これが第一次的機能です。
 しかし、単純に金儲けしやすいように法律を作ったのでは、経営者が暴走し、株主や債権者などの利害関係者が不利益を被る恐れが強くなります。だから経営者を牽制し、抑制する条項も盛り込んであります。これが利害調整機能です。債権者保護機能ともいいますね。これが第二次的機能です。商法のすべての条文は、この第一次的機能か第二次的機能のどちらかの観点から作られているとみることができます(学者によってちょっと見方が異なる場合はあるようです)
 例えば、株式制度や所有と経営の制度的分離は第一次的機能ですし、忠実義務や利益相反取引の禁止などは第二次的機能の現れです。
 このようにして条文を眺めると、商法がいかに、両方の利害を調整し、バランスをとっているかがわかるようになります。そのバランスは大きなところから小さなところにまで行き届いています。
 そして論点とは、実際の事例を解決するにあたって、条文には書いていない部分や不十分、矛盾する部分を「解釈」によって、解決しようとする部分のことです。
 例えば、取締役の「報酬」には、退職慰労金を含むかどうか、なんていうのは、条文にありませんから、解釈によって、含むかどうか、決しなければなりません。その判断は、法理論や「条文の趣旨」と最終的には現実の妥当性、「価値判断」ということになります。あなたは報酬に退職慰労金を含むべきだと思いますか、その理由はなんですか?ということです。これを「法理論的に」文章でつづれば、OKなのです。
 そして判例には条文と同じくらいの重みがあることを実感すべきです。実務では判例中心で動きます。実務では判例は絶対に近いのです。だから、判例批判は慎重にやらなければなりません。少数説を取る場合は注意が必要です。
 あとは試験ですから論点型、だけとは限らず、制度説明型、横断型、いろいろあります。それを自分なりに整理していくしかないしょう。
 戻りますが、商法の全体像は、たいていの基本書のほんとの最初の方にあります。いろいろ立ち読みしてみて、全体像について、詳しくページを割いている本を見つけるのがよいと思います。
 全体像がわかれば、例え、未知の論点がでてきても対処できます。
 商法は、あなたの価値観によって、条文を「解釈」する学問なのですから。
(もちろん、そのために判例と法律的な考え方を知らなければなりません)

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