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経済学の基本書(2001/3/18)

 たまたま横浜のランドマーク近くの本屋に入ったところ、よさげな基本書がありましたので、紹介します。経営学の基本書と同じく、合格後の私が選んだという点、時間の制約から精読ができていない、という点を割り引いてご活用ください。
 新たに紹介するのは、2冊です。どちらも、これまでに私が読んだ基本書よりいいと思います。これを受験時代に手に入れていればもっと深く経済学を理解できただろうなあ、と思います。また、この本をもっと早く受験生の方に紹介できなかったことも痛恨の極みであります。

「入門 経済学 第2版」伊藤元重(日本評論社、3000円)
 お勧め度 9
 第2版はつい最近の3月1日発売でした。これじゃあ私も受験時代に出会えないわな。
 この本のお勧めの点は以下の通りです。
 1 用語の説明が丁寧である
 2 現実の経済とリンクさせて説明している。
 3 経済学の利点と限界をきちんと示している
 4 「適度」に数式が入っている
 というところです。
 マクロとミクロ両方の入門書ですが、マクロが先に並んでいます。そういった点で全くの初学者が読むのはきついかもしれませんが、予備校で一通り学んだ人なら逆にこの方がわかりやすいような気がします。とかく、現実の世界や日経新聞の世界はマクロ経済の出来事がメインですから、常に疑問をもって新聞を読んでいる方には最適の著でしょう。
 また、ミクロは、需要曲線と供給曲線からはじまっています。私が以前にお勧めした「痛快!ミクロ経済学」と同様の方法です。一般に予備校は企業理論と消費者理論を積み上げて、需要曲線と供給曲線を導出しますが、私は先に需要曲線と供給曲線を説明した方が現実の世界とリンクしやすく、理解しやすいと思います。初学者にとって、現実の自分の知っている世界とリンクしやすい、という点がとても大事なのです。理解するには、所詮、これまでの自分の経験に照らして似たような概念をひっぱりだすことによるわけですから、いきなり、類似概念のない、生産関数や無差別曲線から説明しても理解に苦しむことが多いのではないかと考えます。確かに、学問的にエレガントなのは企業行動や消費者理論から積み上げていくことなのかもしれませんが、それは一度理解してしまった人の落とし穴ですね。理解すると理解する前の自分の姿が見えなくなってしまったり、人が理解に苦しむ理由がわからなくなってしまうのです。おっと余談でした。ともかく、わからない人がどこでわからないのか、少なくともそれをわかろうとする努力が見える点でもこの本はお勧めです。

「入門・経済学 新版」藪下史郎他編著(有斐閣、2700円)
 お勧め度 8
 新版は去年の10月発売でした・・・。
 この本もお勧め点も上記伊藤先生の本とほぼ同じです。ただし、4の数式が若干少なめです。そういった点で、ちょっとだけお勧め度は下げています。この点は好みによるかもしれません。また、説明の口調も、伊藤本はですます調に対し、藪下本はである調です。もちろん、口調によって内容が大きく違うということはないはずですが、丁寧に説明したい!!という情熱が出ている分、伊藤本に軍配をあげます。
 さらに、この本は一般的な入門書と同じく、ミクロ、マクロの順で並んでいます。残念ながら、ミクロは消費者理論と企業行動から積み上げている点で、伊藤本より評価を下げています。それでも評価できる点は、消費者理論から説明している点です。私が受講したTAC講座は企業理論から説明していました。一般企業に勤めていた人ならともかく、学生さんあたりでは企業の行動より自分の行動の方が理解しやすいわけですから、消費者理論から教える方が理解しやすいと思いますね。また余談ですが、おそらくTAC経済学が企業行動から教えているのは、企業行動の方が簡単だから、という理由のような気がします(根拠はありません)。簡単だから理解しやすい、複雑だから理解しにくい、というのは大きな誤りで、実感できるかどうか、が理解の決め手であると私は考えます。そういう点で、このTAC経済学の順序は、私がTACでよく感じた「講師が教えやすいことを重点に教える」ということの現われのような気がして・・・。ただし根拠のない誹謗中傷ですので気になさらないでください。企業行動からの説明の方がわかりやすい、という人もいるかも知れませんしね・・・。
 余分な話はさておいてこの本で重要なことは執筆者の中に2001年試験委員が2人含まれていることです。藪下先生(4,6,9章)、篠原先生(10章)です。こんな経済的?な本を読まずにおられましょうか。試験委員がわざわざヒントをくださるなんて・・・。


経済学は短答科目ではないので、若干、時間の余裕があるはずです。基本書主義を標榜する方はぜひ、ざっと読みでいいですから手にとって見てください・・・。どっちも内容的にはよいと思います。個人的には伊藤本がお気に入りです。


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