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 この業界に入ってよくわからなかったのが、買掛金、未払金、未払費用の使い分けである。
 先輩に聞いてもよくわからないし、会社によっても使い分け方が異なる・・・。
 代表的な定義を記しておこう。

買掛金 未払金 未払費用
企業会計原則 当該企業の主目的たる営業取引により発生した債務(注解16)
(定義の項目として記載があるわけではないが、上記定義をしていると解釈できる)
定義なし 未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。(注解5)
財務諸表等規則 通常の取引に基づいて発生した営業上の未払金をいう。(47-2)
この買掛金は仕入先との間の通常の取引による営業上の未払金を含むものとする。なお、買掛金には、通常の取引に基づいて発生した役務の提供による営業上の未払金、例えば電気・ガス・水道料・外注加工賃等の未払額を含めることができる(財規ガイドライン47-2)。
定義なし。ただし以下の記述あり。
広告料、販売手数料、売上割戻金等の未払額(ただし、未払費用に属するものは除く)は、規則第47条第5号の未払金に属するものとする。
定義なし
会社経理実務辞典(日本実業出版社) 仕入先との通常の取引に基づいて発生した営業上の未払金をいい、役務の受入れによる営業上の未払金も含む。通常の取引とは商品・材料など経常的なものをいい、同一仕入先からたまたま固定資産である機械を購入したといったものは含まれない。・・・
考え方としては、企業の経済活動の生成原因の基本を形成するものなので、買掛金として何を計上するかという点は、企業の実態によって決めるべきものである。
買掛金や未払費用に属さない未払債務の総称・次のようなものが該当する。
・電気、ガス、水道料、外注加工費の提供により発生したもの(ただし財規では買掛金に含ませてもよい)
・広告料、販売手数料、売上割戻金などの未払債務
・固定資産や有価証券、の購入。その他経常的、継続的に発生しない取引によって生じた未払額。
・税金、配当金、期間経過後の未償還社債
 これらを買掛金に含ませないのは、買掛金を商品、原材料などの購入代金に限定することによって仕入代金の回転率の計算を合理的に行うためである。
(企業会計原則の定義と同じ)
簡単にいうと、費用は発生しているが支払期日が到来していないものが未払費用であり、期日到来にもかかわらず支払われないものは未払金である。


 買掛金と未払金は「会社経理実務辞典」にあるように、「企業分析に適したように自社で考える、ただし財規などの法規には違反しないようにする」ということで使い分ければいいだろう。
 問題なのは、未払費用なのである。よーく、企業会計原則の定義をみてみよう。なんかおかしくないか?「すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。」の中の「
対価の支払が終わらないものをいう」のくだりである。企業会計原則が制定された当時は、この未払費用には利息しか想定していなかったのではないだろうか。私見では「当初契約の計算期間の終了しないもの」と定義するほうがよいと思う。実務でも未払費用勘定は「概算計上の未確定債務」(ただし税務上は確定しているとみなされる場合もある)として利用されることが多いと思う。どこだったかのクライアントで「いずれ費用になるものだから未払費用で処理しています」といわれたことがあったが、「???」と感じたことがあった。そうではないでしょうね。
 なので、私が株式公開企業を指導するときは「原価になるものは買掛金、継続役務で概算計上は未払費用、その他は未払金で処理しましょう、と言ってみたりしている。「んじゃ、社会保険料の会社負担分の未払分はどうするんですか?」という質問があることがある。まあ、実務をみれば、いろいろなのだが、「未払金がよいと思いますが、未払給与との整合性及び事務の統一性から未払費用でもいいです」とごまかすのであった・・・。

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