著者は27歳で京セラを創業された。技術者である著者は製品開発、生産、マーケティングはなんとかできると思ったそうだが、経理は全くの素人であったという。 全くの素人であったので、素朴な疑問から解き明かし、まるで子供のように経理の専門家の部長に対して「なせ?」を連発する。会計の世界ではあたりまえとされることに対しても、「本当にそうだろうか」と疑ってみながら一歩ずつ前進し、強力な財務体質の立派な会社をつく………る。会計を専門のものと決め付けずきっちり理解することが大事だと言うこと、そしてその理解を助けてくれると言う意味で、派手さはないけれど、地に足が着いた良書でした。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
寿命の短いビジネス書でも、本書は何十年でも読んで損のない名著でしょう。最新の経営理論や、学者の考える財務理論が、全てここでは「ごく自然に」実践されています。それはすなわち、才能あふれる著者が、現場で真摯に悩み続けた結果だからです。まず理論から入ったのでは、ここまでのノウハウは得られません。村田製作所の『利益が見えれば経営が見える』も同様に好著ですが、日本の製造業は、現場からすごいノウハウを生み出しています。米国流経営理論の礼賛ではなく、日本の国際競争の最前線にいる人達の生きたノウハウを知るのが、最良の経営学ではないでしょうか?
このレビュアーはお薦め度を5としています。
稲盛和夫さんの魅力に、やられました。
本書の目的は、おそらく筆者がこれまでに培った経営手法を紹介するもので、
その通り重要なキーワードがいくつか登場します。
原理原則に基づき、本質を見極め、人間として何が正しいかを判断するというのが、
本書のベースになっています。
「売り上げを最大に、費用を最小に」「キャッシュベース」「1対1の原則」など、
とてもわかりやすく説明されております。
一方で、経営………大切にする想い、熱い魂を感じます。
文庫になっていて、2時間程度でさらさら読むことができます。
絶対おすすめです。アメーバ経営の前に読むことをおすすめします。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
文章を書く上での、第三者に何を訴えたいかが明確に書かれている。実学である。稲盛和夫氏は、世界的大企業、京セラおよびKDDIの創業者として知られている。ではなぜそれらの企業が成功したのかと言えば、実学に力を入れていたからに他ならない。稲盛氏は、自分が技術者でありながら、経営・会計などの実学に力を入れていたのである。現在世界的に知られている企業の創業期において、技術と経営は二人が担当していた。例えば、………下幸之助と井植歳男(日本敗戦後、独立して三洋電機を創業)というようにである。しかし、稲盛氏自身は、技術と経営・会計を一人で担当しているところが凄いところである。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
初版(1998年)から10年の月日が経っても、その魅力が朽ちることの無い会計学の名著。
京セラが、地方の零細企業から、現在の地位を獲得するまでの過程で、常識に迎合すること無く、自らの頭で本質を考え、「会計」と格闘しながら、京セラ独自の経営学を築きあげてきた著者の思考をたどることができる。
その根底に流れているのは、会計学という枠を超えた、「人間としての哲学」である。本書を読めば、会計学というフ………く、人間としての本質を考えるきっかけを与えてくれるだろう。
会計不正等が報道されている現在、一人でも多くの人が本書に触れて、会計の意義について再考して欲しい。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
会計というものは単なる数字のマジックではない。そこで働く人々の努力の結果であるべきだと問い掛けてくれる。飛行機のコックピットにある各メーターが、飛行の状態が安定しているか危険な状態にあるかを示してくれるように、会計も会社の経営状態を示してくれるコックピットであるとの指摘には思わず肯いてしまいました。人生や経営に成功している人達に共通するセリフ、「銀行は晴れた日に傘を貸すが雨の日には傘を取り上げる」も登場しています。そして経理処理の方法論だけでなく、経営に取組む姿勢に関しても勉強になる本でした。基本を忘れかけた頃に読み返してみるといいかもしれません。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
”バナナの叩き売り”がたとえ話に出てきます。これはこの本の内容のうち財務に深く関係する部分です。知っている方でも、知らない方でもすごく面白い内容です。税金と資金。キャッシュフロー。税務会計と企業会計の矛盾。などなど…。稲盛さんはとても尊敬する方のお一人です。理系の出身でありながら、会計や財務にとても熱心に勉強をされた方であるとつくづく感じます。理論も大事ですが、体験は2度やろうと思ってもできないも………験者の語りを大切にしたいです。本書と関係ありませんが、私は稲盛さんの”人生仕事の結果=能力×熱意×考え方”というのが座右の銘というかとても大切にする方程式です。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
この本には、いくつかのポイントを含んでいるが、一番面白かったのは、実際の取引の流れと伝票をあわせるというところだ。なかなか簿記の本でも読まないと伝票の話なんかは書いていないため、ついつい伝票処理を軽視しがちである。しかし実際にビジネスをする上で伝票処理まで視野に入れて進めていかないと実際の経営はできないのだ、という指摘は示唆に富んでいる。私の現在の仕事は新規ビジネスの立ち上げであるが、最近伝票処理………ではないのだ。この辺の泥臭いところをちゃんと押さえていかないと仕事が実際には進まない。そんな最近の私の実感にこの本の主張はとてもフィットした。 お勧めである。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
この書評の本は・・・・・ 稲盛和夫の実学―経営と会計