某メガ・ベストセラーが図らずも示したように、議論がなかなか通じないという経験をしたことがある人は多い。その最大の理由は、そもそも議論とは何か、何を目的としているのかが共有されていないことにあるのだろう。この本の画期的なところは第1章にある。まずそもそも議論とは何か、論理的思考とは何か、をかみくだいて論じているところだ。その説明は1章分、わずか数十頁にすぎない。しかし、その効果は絶大だ。経済学をかじ………れない。ロジカル・シンキングといった本だけではでは現実の経済にどう応用するか心もとないと考える人、経済学を学ぶ前に議論の基本を確認しようという人にぜひ薦めたい。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
ロジカル・シンキングに関する著作はこれまでに幾冊も読んできたが、いずれも挙げられている事例が極度に単純化されたものばかりで、現実的な問題を考える際の手がかりにするには物足りなさを感じるばかりだった。その点において、本書は1990年代以降の日本経済という生の事例を、複雑かつ巨視的な形を保ったまま示すことで、現実からの乖離を感じさせないよう配慮しつつ、ロジカル・シンキングとは何かを修得できる構成とな………て認識を深める契機をもらったように思っている。著者の説に対する賛否を問わず、経済学に関する読者の思考を鍛えてくれる本来的な意味での入門書と呼んでいい一冊である。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
本書は、経済学を学ぶにあたって演繹法や帰納法の解説から入り、著者の言う「論理的な思考法」を身につけるトレーニングから始める。このことは、経済学の教科書としては異例のことである。しかしこの方法は、一見迂遠なように見えてそうではない。現在大学で教えられている「経済学」とされるものには様々なものがあり、立場、または見方によっては、結論が大きく異なってしまうということも少なくない。そこで経済学という知識の………記の道具立てをそろえた上で、日本経済の現状を手際よく整理し問題点を明らかにする、すぐれた実践の書でもある。この点はもっと強調されていても良かったように思われる。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
まず構成がすっきりしている。経済学も論理的ルールに即しているのはいまさらいうまでもない。最近は、論理的にスジが通っていないことを現実感覚や政治的・社会的ファクターでごまかすやからが多い。なかには前人未到の事態を説明しているのだから、などといって、従来の経済学やあまつさえ論理的首尾一貫性やただ文章の意味が通っているかいないかさえも誤魔化す手合いが多い。 本当に大変なことは論理的首尾一貫性を現実とどう………の英知wをちゃんとした経済学の初歩そしてリフレ政策まで結びつけたことは大変評価できる。経済学入門者から経済学にトラウマを抱く人までおおいに進めたい。読みなさい!
このレビュアーはお薦め度を5としています。
経済学に馴染めない理由としてよく聞かれるのが「非現実的」「所詮は机上の空論だYO!」という声。そもそも経済学とは、複雑怪奇な現実世界の事象を「単純化して突き詰める」学問であるため、単純化したモデルを「現実と違う」と罵倒するのは、子供に向かって「オマエはなんて幼稚なんだ」と諭すくらい無意味なもの。そんな、経済学の世界と現実世界とのギャップを埋めるのに最適なのが本書。経済学における幾つかの前提条件や基………通しておきたい。本書を読んだ後で、日経新聞の記事やテレビの似非エコノミストどもの戯言を笑い飛ばせるようになれば、まずは合格。速やかに経済学の入門書に移られたし。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
ロジカル・シンキングに関する著作はこれまでに幾冊も読んだが、従来、挙げられてあった「事例」と称するものは、いずれも極度に単純化されたものばかりで、より複雑かつ大きな問題を考える演習としては現実離れしているとの感が否めず、物足りなさを感じていた。その点で、本書は90年代以降の日本経済という、途方もなく大きく複雑な問題を具体例に採用しつつ、ロジカル・シンキングを修得できるよう、巧みに企画されている。………以前に、現状の経済を考える上で安易な「福音書」による救済の夢を語らず、読者自身の思考力を鍛えてくれる本来的な入門書としての役割を果たす一冊として挙げておきたい。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
ミクロ経済とマクロ経済の入門的な内容をピックアップして「きちんと」説明した本.書名から想像するほどのインパクトはないが,この「きちんと」の部分が本書の真骨頂となっている.経済学は勉強したけど数学や論理は苦手という人にとっては本書の真っ当な論理立て・説明の仕方から得るものが大きいだろう.冗長な記述や論理の穴の極めて少ない説明がいかにわかりやすくて短く済むかを知ることができる(とくにマクロ経済の話題に………れ言?)が目立つことは本書を手にとるような人にとっては周知の事実.同じ話題を非専門家向けに誤魔化しなく説明するとこのようになるというお手本といってもよいと思う.
このレビュアーはお薦め度を5としています。
この書評の本は・・・・・ 経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える